2007-01-01から1年間の記事一覧

神谷美恵子 『こころの旅』 より

・・・ 一般的に言えば、人間の条件として、苦、老、死に対して何らかの不安をおぼえるのは当然のことであり、正常であるというべきであろう。この「実存的不安」は、ひとそれぞれがこころの孤独の中で生きぬくべきものであり、人間はこれを経験しながらもな…

神谷美恵子 『生きがいについて』 より

・・・ひとたびこの世からはじき出され、虚無と絶望のなかで自己と対面したことのあるひとは、ふたたび生きがいをみいだしえたとき、それがどこであろうとも、自己の存在がゆるされ、うけ入れられていることに対する感謝の思いがあふれているにちがいない。…

V・E・フランクル 『夜と霧(新版)』 より

(強制収容所で亡くなったある女性について) ・・・ この若い女性は、自分が数日のうちに死ぬことを悟っていた。なのに、じつに晴れやかだった。 「運命に感謝しています。だって、わたしをこんなにひどい目にあわせてくれたんですもの」 彼女はこのとおり…

諸富祥彦 『トランスパーソナル心理学入門』 より

・・・“ほんとうの生き方”をひたすら問い求め、求めぬく時、その求めの徹底において、通常私たちが“自分”と呼んでいる自分の働き、つまり“どうやって楽しもう”“どうやって幸せになろう”と自分とその人生とを思い計っていた自分(エゴ)の働きは次第に弱まり…